音楽ライブ、トークショー、アート展、オフ会など、イベントにはいろいろと種類があります。それらに共通するのは「せっかく開催するなら人気イベントにしたい」という点。それでは、どうすれば開催するイベントが人気になるのでしょうか? 実際に自分でもイベントを主催する筆者が、そのコツをじっくり紐解いていきます。
なぜイベントが人気になることが大切か
まずは人気イベントを目指す理由を整理していきます。もちろん、マニアックさ、ニッチさなどを演出するため、あえて人気を目指さないという選択肢もありますが、理由を整理することでぼんやりしてたイベントの方向性が見えることがあります。イベントが人気になるメリットは以下の通りです。
・収益が見込める
会場代、設備代、出演者やスタッフへのギャランティ、そして自らの労働の対価など、諸経費は必ずかかります。イベントが人気になると、参加費有料イベントの場合は参加者数に応じて十分な利益が出ます。参加費無料のイベントであっても、人気イベントに対しては、協賛・コラボの申し出などが来やすくより盛り上げることができるのです。
・認知度があがる
熱烈なファンがいる題材のイベントであっても、開催のニュースがファンに届くとは限りません。イベントを初めて行うときの認知度は、ほとんどの場合かなり低いものと意識しましょう。
認知度があがるとファンが増えます。認知度があがるとイベントの説明がやりやすくなり、告知やイベントの会場を借りる際の交渉などがスムーズになるメリットもあります。
・継続して開催できる
人気イベントになると、予算やスケジューリングなどの諸問題が解決されます。例えば、定期的に行うイベントであれば、人気になることが予測できるので、出演者や会場側もあらかじめで準備しやすくなります。
さらに開催時期を把握して告知しやすいですね。周囲の期待も高まり、「あの楽しい時間をふたたび」という熱が湧きおこります。一回限りで次回は未定というイベントであっても、次回の開催を前向きに考えられるようになります。
人気イベントの傾向

類似のイベントが多い中で、ひときわ人気を集めるイベントも存在します。人気イベントはどのような特徴や傾向があるのでしょうか。人気イベントの特徴をまとめました。
・新規性や話題性がある
たとえば、単に「面白ゲーム大会」と銘打っても、どこが面白いのかが伝わらず失敗しがちです。世間で流行っているキーワードを添えるなどして話題性をつかみましょう。
また、類似イベントとの差別化として、「ゲームイベント+大食い」など別カテゴリの要素を加えることで、一気に新規性が生まれて人気となるケースもあります。
・実は一定のファンがいる
現在は価値観が多様化しています。例えば昭和時代のマイナーアーティストや、マンホール・雑煮・回文など、どんなカテゴリにも実はファンがいます。イベントの対象とするテーマをはっきり打ち出すことで、潜在的に好きだったという人が反応を示し、人気となりえます。
逆に一定のファンがいるかを確かめるため、まずは一度イベントを行うというケースもあります。
・満足度が高い
当然ですが、人気イベントは参加者の満足度が高くなります。複数開催のイベントで常連を毎度楽しませるのはもちろんですが、より重要なのは初めて体験する人。たとえば、専門用語が飛び交い、内輪感が出ているイベントでは、満足度は下がりがちです。
イベントを人気にするには、告知も大事

ここからは少し具体的なアクションです。無名のイベントを人気にするには、地道な告知活動が重要です。イベント制作の際は、つい中身にばかり力を入れがち。しかし、どんなに練ったイベントでも、好きな人の情報網に引っかからないと人気イベントにはなりません。具体的な告知方法をご紹介します。
・チラシやポスターで告知する
まず基本となるのは、チラシやポスターでの告知です。大事なのは置く場所。基本的には数が多いほど目に留まる機会は増えます。より効果的なのは、自分のイベントのターゲットを想定して、その方々が利用する場所に置いてもらうこと。
イベント会場で掲載OKの場合、同会場での他イベント関係者同士がつながり、告知の機会が増すケースもあります。
・告知サイトを活用する
イベント用のWebサイトを独力で作るのは少々大変です。イベントの種類によっては、ファンが集う定番のポータルサイトがあり、そこへ掲載できるとPRになります。
またイベントのチケット販売や管理を行うサイト(Peatix、tiget、teket、PassMarketなど)も大事な告知の場。チケットの取り扱いだけでなく、当該イベントが紹介されたり、類似イベントのおすすめで取り上げられたりすることもあります。
・個人のSNSで発信する
TwitterやInstagramなどでの情報発信も大事です。面白い情報は拡散されやすく、趣味趣向が近いフォロワーさんの目に留まります。注意点は、全く基本情報を知らない人が見てもわかりやすい内容にすること。
例えばオフラインかオンラインか、オフラインの場合はどこで開催なのかははっきりさせましょう(SNSは世界中の人の目に留まるので、会場名だけや馴染みのない地名では伝わりません。リンクを辿らなくても都道府県までは明示していると親切です)
人気イベントにするためには勢いと基礎固めが重要

人気イベントを実現するために、意識したい3つのポイントをまとめてみました。ベーシックな内容が多いですが、イベントを人気にするためには「やってみよう」という勢いのあるバイタリティーに加えて、じっくりと行う基礎固めは大事です。
なぜ人気になりたいか、どのような特徴があるか、そして告知にどんなアクションが必要か。イベントを複数回行っている人であっても、よりイベントを人気とさせるため、あらためて見つめ直してはいかがでしょうか?
なおイベント情報サイト「イベニア」では、新規性がある面白いイベントをご紹介しています。見てヒントとするだけでなく、面白いイベント情報についてはぜひ教えて下さい。盛り上げていきましょう。
ライター:高柳優
イラスト:shiron